「でんきの礎」で顕彰されました! 2015年の最新情報。香蘭社から、メディア掲載情報や、有田でのイベントをご紹介します。

2015年

「でんきの礎」で顕彰されました!

2015年04月21日

このほど、一般社団法人電気学会の「でんきの礎」で、香蘭社が顕彰されました。

授賞式.jpg

「でんきの礎」は、「社会生活に大きく貢献した電気技術」の功績をたたえ、その価値を多くの人に知ってもらい、電気技術への関心を持ってもらうことを目的に、技術史的価値、社会的価値、あるいは学術的・教育的価値のいずれかを有する約25年以上経過した電気技術の業績を顕彰するものであり、電気学会創立120年を記念して平成20年に制度化され、今回の第8回で顕彰は52件となりました。

今回、香蘭社が顕彰されたのは「初代電信頭石丸安世と磁器碍子」。日本で電信が始まった明治初期(1870年代初め)、電信の架設に必要な碍子はすべてイギリスやドイツなどからの輸入で、値段は高く品質は非常に悪いものでした。そこで、初代電信頭(でんしんのかみ)に就任した佐賀出身の石丸安世は、日本の磁器発祥の地である有田の技術を用いて磁器による碍子の製造を発案し、第八代深川栄左衛門(のちの香蘭社創業者)に磁器碍子の製造を依頼しました。栄左衛門は、陶磁器を主としていた有田焼技術をもとに研究努力の末、磁器碍子を完成させ、当時の工部省電信寮に納入しました。電信寮では1873年(明治6年)、お雇い外国人技師モリスによって試験が行われ、この磁器碍子は外国製碍子の性能をはるかにしのぐ高い性能を持つことが確認されました。

茶台碍子と長平瓶 .jpg

栄左衛門の磁器碍子は、明治4年に始まった東京~長崎間の電信線架設に採用されるなど、日本の電気インフラ拡充に大きな貢献をし、碍子といえば今なおこの磁器製を指すほど重要な製品となっています。そして、この磁器碍子の技術は、のちの工業用ファインセラミックス誕生のきっかけとなりました。

これまでは、株式会社東芝の日本語ワードプロセッサ、ソニー株式会社のトランジスタラジオ、同ウォークマン、セイコーエプソン株式会社のクオーツ腕時計、株式会社豊田中央研究所のピエゾ抵抗式半導体圧力センサなどが顕彰されており、今回は香蘭社のほかに本田技研工業株式会社の地図型自動車用ナビゲーションシステム、日本放送協会 放送技術研究所の直接衛星放送サービスなどが顕彰されました。

香蘭社は美術陶磁器のほか、現在も電気用碍子やファインセラミックスを製造しておりますが、今回の顕彰を大変名誉なことと受け止め、これからもより一層、社会への貢献を進めて参ります。

※今回顕彰された明治初期の碍子は、有田本店ショールーム二階の古陶磁陳列館でご覧になれます。

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